自然栽培は“昔の農業”じゃない。むしろ未来の農業かもしれない。
最近、自然栽培をしていて思うことがあります。
昔は
「無肥料・無農薬なんて現実的じゃない」
って言われることが多かった。
実際、今でも難しいです。
・収量は不安定
・病気や虫のリスクも高い
・失敗した時のダメージも大きい
だから、簡単におすすめできる栽培ではありません。
でも最近、世界情勢や肥料価格、農薬価格の変化を見ていると、
逆に「自然栽培の考え方」が現実味を帯びてきている気がします。
肥料も農薬も“当たり前にある時代”ではなくなってきた
農業って、実はかなり世界情勢の影響を受けます。
肥料の原料。
燃料。
輸送。
農薬原料。
どれか一つ止まるだけでも、農業は一気に苦しくなる。
実際ここ数年、肥料価格もかなり上がりました。
特に化学肥料は、海外依存している部分も多い。
つまり、日本国内だけでは完結しにくい。
もちろん慣行栽培が悪いとかではありません。
むしろ今の農業を支えているのは、間違いなく慣行栽培の技術です。
うちも慣行栽培をしています。
でも、その中で自然栽培もやっていると、見えてくるものがあります。
「何を入れるか」ではなく「なぜ弱るか」を考えるようになる
自然栽培って、肥料で調整しにくい。
だからごまかしが効きません。
葉が弱ければ、その理由が出る。
根が弱ければ、その理由が出る。
土の状態が悪ければ、そのまま出る。
つまり、樹そのものの状態がすごく見える。
ここが一番大きい。
慣行栽培では
「今どう立て直すか」
を考える場面が多いですが、
自然栽培では
「そもそもなぜ崩れたか」
を考えることが増えます。
これって実は、慣行栽培にもかなり活きます。
だからうちは両方やっています。
自然栽培だけでもない。
慣行栽培だけでもない。
両方やることで、お互いの弱点や本質が見えてくる。
自然栽培=放置ではない
ここ、結構誤解されます。
自然栽培って、放置ではありません。
むしろ逆。
観察量はかなり増えます。
・葉色
・枝の伸び
・土の状態
・草の種類
・虫の出方
・樹勢の変化
細かい変化を見続けないと、すぐ崩れます。
だから実際やると、かなり頭を使います。
感覚だけでは無理。
毎年気候も違う。
樹齢も違う。
土も違う。
正解が固定されにくい。
でも逆に言うと、そこが面白い。
「できるなら広めたい」と思う理由
正直、自然栽培はまだまだ難しいです。
再現性も高くない。
でももし、
「肥料や農薬に大きく依存しなくても安定できる技術」
が増えていけば、
これからの農業にとってかなり大きいと思っています。
しかもそれは、慣行栽培を否定する話ではない。
むしろ慣行栽培の技術があるからこそ、比較もできるし理解も深まる。
だから自分は両方やっています。
極端な思想じゃなく、
現場で試して、失敗して、観察して、また修正する。
その積み重ね。
最後に
自然栽培って、
「昔ながらの農業」
みたいに思われることもあります。
でも実際やってみると、かなり未来的です。
データも観察も必要。
土も樹も環境も全部つながってる。
そして何より、
“作物自身がどうすれば強く育つか”
を本気で考えるようになる。
だから難しい。
でも、だからこそ価値がある気がしています。
和歌山県みなべ町で、慣行栽培と自然栽培の両方をやりながら、これからも試行錯誤していきます。