うめしごと|自然栽培の魅力は「特別な栽培」じゃなく、“作物を見る力”が磨かれること
「自然栽培って、結局なにがそんなに魅力なん?」
最近よく聞かれます。
無肥料、無農薬。
聞こえだけならすごそうに見えるかもしれません。
でも実際にやってみると、
正直めちゃくちゃ難しいです。
収量は不安定。
病気も虫も出る。
失敗した時のダメージも大きい。
じゃあなんで続けるのか。
今日は、うちが自然栽培をやる理由と、そこに感じている魅力について書いてみます。
自然栽培は「放置」ではない
まず最初に言いたいのは、
自然栽培=何もしない農業ではないということ。
むしろ逆です。
肥料を入れれば勢いが出る。
農薬を使えば病気や虫を抑えられる。
でも自然栽培は、そういう“外から整える手段”がほとんど使えません。
だからこそ、
- なぜ樹が弱っているのか
- なぜ葉色が悪いのか
- なぜ病気が出たのか
- なぜ実が止まらないのか
そういう原因を、真正面から考える必要があります。
ごまかしが効かない。
ここが一番大きい。
作物の変化が、そのまま答えになる
自然栽培をしていると、
葉1枚の変化でも気になるようになります。
枝の伸び。
葉の厚み。
色。
ツヤ。
土の匂い。
小さな違和感が全部ヒントになる。
肥料で一気に調整できないからこそ、
「なんでこうなった?」をずっと考えるようになるんです。
これは梅でも同じ。
例えば、
- 樹が無理して実を持っていないか
- 根が弱っていないか
- 水が溜まりすぎていないか
- 土が締まりすぎていないか
そういう部分が、結果にそのまま出ます。
だから自然栽培をやると、
“作物を見る力”がかなり変わる。
実は、慣行栽培の技術にもつながる
ここ、結構大事です。
自然栽培をやってると、
慣行栽培を否定してるように見られることがあります。
でもうちは逆です。
慣行栽培にも、めちゃくちゃ高い技術が必要。
安定して収穫する。
品質を揃える。
病気を防ぐ。
天候リスクを減らす。
これは簡単なことじゃない。
だからうちは、慣行も自然栽培も両方やっています。
しかも実際、
自然栽培で得た感覚が慣行栽培に活きることがかなり多い。
「この樹、ちょっと無理してるな」
とか、
「ここ根が弱いな」
とか。
自然栽培は、作物の反応がダイレクトに出るから、
逆に基本が見えやすい。
それが結果的に、慣行栽培のレベルアップにもつながっています。
自然栽培=高級ではない
これも勘違いされやすい。
自然栽培だから絶対美味しい。
自然栽培だから偉い。
そんな単純な話ではないと思っています。
実際、うまく作れなければ美味しくならない。
むしろ自然栽培の方が、
技術不足がそのまま品質に出やすい。
だから難しい。
でも逆に、状態が良く育った時は本当に面白い。
樹そのものの力が出ている感じがある。
うちの自然栽培の梅やとうもろこしを食べてもらった時に、
「味が濃い」
「後味が違う」
「香りが強い」
と言ってもらえることがあります。
もちろん感じ方は人それぞれ。
でも、そう感じてもらえる理由を、もっと理解したくて続けています。
答えがないから面白い
農業って、毎年条件が違います。
天気も違う。
雨も違う。
気温も違う。
去年うまくいったことが、
今年もうまくいくとは限らない。
自然栽培は特にそれが大きい。
だから毎年試行錯誤。
でも、その積み重ねが面白い。
「なんでうまくいったんやろ」
「なんで失敗したんやろ」
それを考え続けるのが、結局好きなんやと思います。
うめしごとは、まだまだ続く
梅も、とうもろこしも、
まだまだ挑戦中です。
自然栽培も慣行栽培も、
どっちが上とかではなく、
“どうしたらもっと良くなるか”
を考えながらやっています。
まだ完成なんて全然してません。
でもだからこそ面白い。
今年の梅も、もうすぐ本番。
毎日バタバタですが、
今年もいい梅を届けられるよう頑張ります。
これからの「うめしごと」も、見てもらえたら嬉しいです。